此れを私の遺書だと思って頂けると幸いです。 世の分解者達は有機物を無機物に変えようと必死です。 葉緑体は緑の光線が嫌いです。 私達は動物と植物を食べます。 (消費者は消費者と生産者を食べます。) 彼等の蛋白質は私の中で、熱と無機物に成ります。 其れから? 其れから? 世の分解者達は有機物を無機物に変えようと必死です。 嘘です。 世の分解者達は自らのエネルギーを求めて必死です。 葉緑体は緑の光線が嫌いです。 だから緑色なのです。 私達は有機物です。 細胞と遺伝子に生かされて、己の意思の存在を一心に信じています。 熱量にも質量にも何の変化もありません。 宇宙上で、私達の存在は変わりません。 それでも私はフィレンツェに行ってみたいし、崑崙に行ってみたいのです。 海に漂ってみたいし、空を泳いでみたいのです。 もし私が意思を失った只の物質になれば、分解者が私を無機物に変えて呉れます。 生産者が其れを取り込んで再び有機物にして呉れます。 そして何時か、私を作っていた物達は永遠へ。 此れを私の遺書だと思って頂けると幸いです。 宇宙上で、私達の存在は変わりません。 だからこそ私達は作り変えられます。 私達は生まれ変わります。 (私達は常に生まれ変わってきました。) 私の躰を、どうか世界中に撒き散らして下さい。 そして私は、何時かフィレンツェや崑崙に行き着くのです。 私を捕食した者同士がやがて巡り会うのです。 かつて私だった者達が、細胞と遺伝子の命ずる儘子を生すのです。 そして私は永遠の輪の中へ。 此れを私の遺書だと思って頂けると幸いです。

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