冬の終わり、呉藍(くれない)の天蓋は花紺青(スマルト)硝子に変わり、 練色の雄犬が西へ西へと駆けていきます。 そして星々から白金(シルヴァー)の雪が散り始める頃、 貴方はその猫目石の睛で更に向こう側へと旅立つのです。 風が強く吹かない内に。 木々に灯る蛍燈の消えない内に。 明日になっても私の睛には 今日と変わらぬ宙が写るでしょう。 しかしその夜、私の睛には、 瞬く黄玉(トパーズ)は写らないのです。 冬の終わり、花紺青(スマルト)硝子の天蓋は青玉(サファイア)に変わり、 練色の猟犬が西へ西へと駆けていきます。 そして星々から燻銀(シルヴァー)の詩が降り始める頃・・・ 今宵貴方はその水晶(クォーツ)の靴で更に向こう側へと旅立つのです。

暁の小犬
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送