蝶の帰りを待つ君
オルゴヲルの音
完全な白・完全な黒
昨日見た夢
楽園の扉
意識



悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて。

きっと此の一日が過ぎれば何かが変わる訳ではないけれど、
其れでももう、戻らない時は在る。
きっと此の夜が明ければ劇的に目覚める訳ではないけれど、
其れでももう、帰れない頃は来る。



Tシャツとカーゴパンツ
O型の血
携帯電話
格闘ゲームのサントラ
王子様
神の御言葉



私、未だ、何もしていない。


そう考えると無性に悲しくて、
寂しいとか切ないとか、繊細な言葉で飾れないくらい悲しくって、

泣く程の事ではないのね。それでも。



練色の雄犬
水晶の靴
憂
あなた
ちいさな意味
と云うストーリー



其れなりに乙女で、好きな人だって居ない訳ではないけれど、
恋愛感情を知り過ぎている少女漫画の絵空事。
其れなりに大人で、もうパパママが恋しい訳ではないけれど、
自分で作った最後の晩餐は残り物の肉じゃが。

悲しくて、

誰かに会いたいと思うのは、多分、馬鹿だからです。
誰でも良いと思うのは、多分、悲しいからです。


此の儘居なくなるのか知ら、なんて。



限られた空間内
爆破された芸術
全ての宇宙
ほんの少しの快楽
白磁の肌の少年
想像流血



せめて此れが昨日だったらね。


きっと此の数時間で生まれ変わる訳にはいかないけれど、
其の数時間分、この世の終わりは近付いている。
きっと此の数年間で今日を懐かしく思う訳だろうけれど、
其の数年間分、私の世界は積み上げられている。


私の身体は何回入れ替わったのだろう。
私は何時間眠っていたのだろう。



運命が定める処の未来
此の手に落とされた君の睛
幸せに死ぬ事しか頭になかった生者
跳ねる事の出来ないサカナ
生物の辿るただ一つの運命
水溜まり色の空の割れた隙間



そう考えると何だか悲しくて、
感慨に耽る余裕もない程、私が悲しくて仕方なくって、

数字で計れるようなものでもないだろうけど。それでも。


未だ何もしていない。
此れからする予定もない。
先の事をくよくよするのは嫌いです。
そう言って何時も先延ばし。

何時まで先があるのか知らね。



不思議の国
猩々紅冠鳥の花嫁
雪崩れ込んだ億兆の卵
胃の腑の中でとぐろを巻いたチョコレート
GOTHIC
母を待ち侘びた子供



悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて。



あの季節
あの更に向こう側
あの夢の続き
アレ
其の反対側
此処



其れなりに裕福で、だから如何だと云う訳でもないけれど、
ある物強請りも本人にとっては真剣で。
其れなりに幸福で、だから悲しい訳では決してないけれど、
けれど又、悲しみに変わりはない訳で。


もう何が言いたいのか分からないのです。
何がしたいのかも分からないのです。
焦ってばかりで、怠けてばかりで、
刻まれる時間など、意味がないと自分で言っておきながら、
こんなにも此のたった一夜の事を気に掛けてみたりして。
馬鹿なのです。餓鬼なのです。
或いは餓鬼でいたいのです。何時までも。何時までも。

それは、

多分悲しみでも何でもなくて。



スプラッタ
メサイヤ
シーツ
ヘリオトロープ
キセキ
死に近づいていく私達



それでも私は最後の夜を迎えます。
きっと、此れから、何度も。















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