プロローグ カタカタカタ。 部屋の中、キーボードを叩く音が響いた。 パソコンを操っているのは15、6の少年である。 不意に少年が口を開いた。 「何か用か?そうなら手短に話せ」 いつのまにか少年の後ろに青年が立っている。 どうやら先程の言葉は、彼に向けて言ったようだった。 「ご報告致します。・・・荒東輪向を取り逃がしました」 「輪向を・・・」 少年の動きが止まる。 「申し訳ございません」 青年が頭を深々と下げる。 「・・・まあ、いい。すぐに再会するだろう。それに・・・」 少年は何か打ち込み、エンターを押す。 ピッ、という音と共に画面が切り変わる。 不可解な図形などが消え、一枚の写真が映し出される。 「彼女を手に入れるのは、俺だしね」 写真に写っていたのは、一人の少女。 勝気な瞳で微笑んでいる。 画面の右端にローマ字でこう表示されていた。 RIRONNと・・・。

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