ここらで行き詰まりだと感じているのは 僕だけじゃないだろう まだ先に光があるように感じているのも 僕だけじゃないはずだ 濁った空からちらちらと吐き出される 雪の結晶の尊さに 息が詰まる このほどよい北の地の 荒らされていない西の海から 吹きさらされる風に たゆたうのは ひどくいずまいがわるい 故郷を思い出す 古い街並みの人混みに紛れるのは 案外わるくなかった 空が遠いこの街で 雪に紛れて覚える気持ちわるさもけれど 今になってはなじんでしまって 故郷は今、夏を迎えようとしているだろう ほどなく、蝉の声がうるさく響くだろう ならば、この街も、夏をひかえた季節であるはずだ 風が吹いて 雪が舞って 視界を潰す どうして? 夢だろうか 向かいの坂では わたしが自転車で疾走している 先日つけた傷痕が、まだ残っているわたし あれが夢だろうか もう終わりだと 知らせ続ける景色の中で 行き詰まりであることを、示し続ける雪の中 先に光があることを、認め続ける海の向こう ああ、相応しい、と 唯、それだけ 舞い落ちる雪の向こう 灰色の雲の上 遙か、空に 介錯を望む

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