アタシ時々息が出来なくなるの。 雨の日に自転車漕いでると、 半開きの唇に雨粒がはたはた当たる。 恍惚の瞬間を垣間見る。 其の辺に転がっている天国に凭れ掛かって甘えてみる。 平伏したら愛し合おう。 靴の裏に口付けて許しあおう。 其の相手を探している。空に。 こっち向いてJesus 乾涸びた蚯蚓 潰された蛙 抜け落ちた鳩の羽根 動いてる蜥蜴の尻尾 蟻の群がる毛虫 何て素敵。 本に、呑まれそうになる。 時々あるのだ。 不意に人混みに紛れた様に酸素が足りなくなって、 見上げる程の本棚に押し潰される錯覚に囚われる。 ソレは書店では有り得ない現象だった。 清潔で明るい店内と、購買意欲を掻き立てる物の配置、 そして万引き対策の低い棚。 そうではなくて、ソレはもっと狭い、薄暗い、 図書館や古本屋に特有の現象だった。 助けてJesus 濡らしてみろよアタシを。 濡らしてみろよこの肌。 未だ十代なんだよ。水を弾く肌なんだよ。 其れは、 アタシにとっては白磁の肌の少年で、 彼にとっては永遠の少女なんだ。 見付けてよJesus おかしいなぁ 眩暈がするし お腹が痛いし 寄生虫がいるみたいに きし麺みたいな 生殖器官だけの塊が うごうご 寄生虫が ピンクの大腸の中で うごうご だだ長い裂頭条虫科扁形動物が お腹痛いし うごうご アタシの中で。 まず何となく気分が重くなる。 それから軽く目眩がして、息苦しくなる。 胸が詰まる。と云うより肺が詰まる。 面白そうな背表紙を見つけ、 はらはらと捲ってみてはまた閉じる。 読み続ける気分になれない。繰り返して、 嫌になる。 肺が詰まる。 「アタシ時々息が出来なくなるの。」 アタシだけのJesus 寒くなんてないから。 こんな霧雨でブレーキなんて踏まないから。 絶頂の瞬間を探してる。 ジンジャーの焼菓子に併せるくらいなら、 ミルクはとびきり甘くなくてはならない。 糖蜜を掛けましょう。 零れるくらい、たっぷりと。 何処に居るのJesus 翅の捩れた蝶々 殻を割られた蝸牛 子猫の吐いた下呂 穴の開いた蛹 南瓜に沸いた蛆 何て綺麗 若しかしたら、この膨大な数の本の呼吸に、 その吐き出した何かに、耐えきれなくなるのかも知れない。 この膨大な数の本を過去に手にしただろう 膨大な数の人の残した何かに。 指紋に。 視線に。 書き込みに。 呼吸に。 意地悪なJesus きっとアタシは32歳で交通事故で死ぬわ。 きっとアタシは処女で死ぬわ。 其の向こう側は考えらんないから。 本当に美しい物は 頭の中にしか存在しないと、 知っているからこそ、今、 頭上に幾千の接吻を! アタシこそがJesus 内臓だけアタシじゃないみたい。 ソレが、彼等の呼吸が余りにも染み付いてしまって、 吐き出されたソレに呑み込まれそうになって、 耐えきれず。 アタシ時々息が出来なくなるの。 Oh!Jesus  

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